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こんにちは、ちゃぴっとです。
株の注文画面を見ていると「指値」と「成行」という言葉が出てきます。どちらも株を買う・売るための注文方法ですが、仕組みが違うので、画面に表示されている価格とそのまま約定するとは限りません。今回はこの2つの注文方法の違いを、東京証券取引所(東証)の公式情報をもとに整理します。対象は東証での通常の現物株売買です。単元未満株サービス・米国株・投資信託・特殊な執行条件は扱いません。
注文が成立することを「約定(やくじょう)」といいます。注文を出すことと、約定することは別です。
指値注文とは — 価格を指定する注文
指値注文は、自分で価格を指定する注文方法です。買いの場合は「指定した価格以下」で成立する注文、売りの場合は「指定した価格以上」で成立する注文になります。
つまり、指値は「この価格より不利には買わない・売らない」という上限・下限を決める注文です。条件を満たす範囲であれば、指定した価格より有利な価格で成立することもあります。
ただし、指定した価格の条件に届いていても、注文の順番や株数次第で、思ったタイミングで成立しない・一部しか成立しないということもあります。この点は後ほど板の例で見ていきます。
成行注文とは — 価格を指定しない注文
成行注文は、価格を指定しない注文方法です。「いくらでもいいから買う・売る」という注文になります。
東証の説明では、成行注文は指値注文より優先して成立する、とされています(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。優先して処理されるという意味であり、画面に表示されている現在値や最後に約定した価格で成立することを約束するものではありません。
後ほど扱うザラバでの例では、成行の買い注文は条件の合う売り注文と順に成立します。価格を指定していないため、想定よりも高い価格(買いの場合)で成立する可能性があります。
板の例で考える成行注文の約定
ここからは説明のための架空の例です。架空のA社株について、価格ごとの注文数量を示す「板」に、売り注文がこのように出ていると仮定します(他の注文の変更や競合、売買停止、特別気配などはなく、この価格でそのまま取引できる前提です)。
| 区分 | 価格 | 株数 |
|---|---|---|
| 売り注文 | 1,001円 | 100株 |
| 売り注文 | 1,002円 | 200株 |
この例は、条件が合う注文から順に成立する「ザラバ方式」を前提にしています。寄付や引けなどで注文をまとめ、単一の価格を決める「板寄せ方式」とは分けて考えます。ザラバでは、買いは高い価格、売りは安い価格が優先され、同じ価格であれば先に出された注文が優先されます(寄付の板寄せなど一部の場面では同時注文として扱われる例外もあり、この優先順位がすべての場面に当てはまるわけではありません)。
この状態で、画面の現在値(直前の取引価格と仮定)が1,000円だったとします。ここで成行の買い注文を200株出すと、安い価格から順番に成立していきます。
| 約定回数 | 価格 | 株数 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,001円 | 100株 | 100,100円 |
| 2回目 | 1,002円 | 100株 | 100,200円 |
| 合計 | 平均1,001.5円 | 200株 | 200,300円 |
画面の現在値1,000円を基準にすると200,000円で買えるように見えますが、実際の約定総額は200,300円、1株あたりの平均は1,001.5円でした(税金・手数料は考慮していません)。この例では、画面の価格で計算した金額より300円多くなりました。成行は、表示されている価格を予約する注文ではありません。
なお、成行だからといって必ずすぐに全株数が成立するとは限りません。板に出ている株数が足りない場面などでは、一部しか成立しない、あるいは成立までに時間がかかるケースもあります。
同じ板で考える指値注文の約定
今度は同じ初期状態(売り注文1,001円100株・1,002円200株)に対して、別の例として、買いの指値注文を1,001円・200株で出した場合を考えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 成立した分 | 100株(1,001円) |
| 未成立の分 | 100株(発注時点では未約定) |
| 前提 | 通常の指値注文・当日有効を想定(即時約定を条件とする特殊な執行条件は除く) |
1,001円で出ている売り注文は100株分しかないため、指値200株のうち100株しか成立しません。残り100株は、この時点では未約定です。有効な間に条件の合う売り注文が入り、自分の注文に順番が回ってくれば成立しますが、その前に期限を迎えることもあります。未約定分が翌日以降どう扱われるかは注文の有効期限の設定によって異なるため、一般化はできません。発注時に有効期限を確認しておくことが大切です。
売り注文を指値で出す場合も考え方は同じで、「1,000円」と指定すれば「1,000円以上」で成立する注文になります(具体的な板の例は買い注文のみで示しています)。
ここで注意したいのは、指値の「価格」は1株あたりの価格だという点です。株数をかけた総額ではありません。東証の内国株は100株単位で取引されており(日本取引所グループ「売買単位」)、売買代金は「約定価格 × 約定した株数」で計算します。複数の価格で成立した場合は、それぞれの代金を合計します。指値価格に注文株数をかけた金額と、実際の売買代金が一致するとは限りません。なお単元未満株のサービスや米国株、投資信託、特殊な執行条件の注文はこの記事の対象外です。
注文前に確認しておきたいポイント
発注と約定は別のことです。注文を出した時点では、まだ取引が成立したわけではありません。注文する際は、次の点を確認しておくと、意図とのズレを減らせます。
- 売買の方向(買い・売り)
- 株数
- 1株あたりの価格(指値の場合)
- 注文方法(指値・成行)と、それ以外の執行条件
- 注文の有効期限
- 注文後の約定状況と残っている株数
また、指値注文は「指定した価格より不利な条件では成立しない」という仕組みであり、株を持った後に価格が下がることを防ぐものではありません。あくまで注文を出す時点での価格条件を決めるものです。
注文を変更・取り消した場合も、その後の注文状況と約定済みの株数を確認します。
まとめ
指値注文は価格の条件を自分で指定する注文、成行注文は価格を指定しない注文です。どちらが優れているという話ではなく、指定する条件が違うというだけのことです。
成行は画面の現在値での約定を保証するものではありません。指値は条件に届いても、株数や順番によっては一部しか成立しない、または未約定のままということもあります。注文の価格条件に加えて、どの価格で何株が成立し、何株が残っているかまで見ると、発注と約定の違いが分かりやすくなります。
証券会社選びについては、以前高配当株投資の証券会社比較でも触れているので、参考にしてみてください。
本記事は注文方法の基本を整理したもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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