こんにちは、ちゃぴっとです。
「インデックス投資は、長く続けるのが大切」と聞くことがあります。でも、長く持つと何が変わるのでしょうか。
考えたいのは、幅広い企業に投資しながら、得られた収益を次の運用につなげることです。さらに積立を続ければ、自分が投じるお金も増えていきます。
今回は、この「運用する時間」と「自分で積み立てるお金」を分けながら、長期投資の効果を見ていきます。長く持てば必ず利益になる、という話ではありません。
1.インデックス投資は、市場の動きに沿った運用を目指す方法
インデックスは、複数の株式などの値動きをまとめた「指数」のこと。その指数に連動する成果を目指す投資信託やETFを使うのが、インデックス投資です。ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。
例えば、幅広い国や業種の株式を対象にした指数に連動する商品を選べば、1社に集中せず、多くの企業に分けて投資できます。1社の不振だけで全体の結果が決まりにくくなります。将来伸びる1社を当てるというより、多くの企業の活動から生まれる成果に参加していく考え方です。
ただし、「インデックス」という名前だけで分散の広さは決まりません。特定の国や業種に絞った指数もあります。まずは、どこに投資する商品なのかを確認しましょう。指数との値動きにずれが生じる場合もあります。(出典1)
2.複利は、得られた収益も次の運用に回すこと
長期投資でよく出てくる言葉が「複利」です。運用で得た収益を引き出さず、元のお金と一緒に運用することで、その収益にも次の収益が生まれる仕組みです。(出典2)
説明用の架空例で、100万円が毎年3%ずつ増えると仮定します。税金や費用は考えません。
1年後は103万円。これをそのまま運用すると、2年目は103万円に対して3%が増えるため、2年後は106万900円になります。最初の100万円に毎年3万円が加わる計算との違いは、1年目の利益3万円にも900円の利益がつくことです。
実際の株式投資は、預金の利息のように毎年一定の利益が約束されているわけではありません。この例は、収益を運用に残す仕組みを説明するためのものです。
投資信託には、投資家に分配金を支払わずに運用を続けるものも、分配金を支払うものもあります。分配金を受け取って使えば、そのお金は以後の運用から外れます。分配金はファンドの資産から出るため、受け取るだけで資産全体が増えるわけでもありません。商品の説明書である「交付目論見書」で、分配方針を確認できます。(出典3)
3.毎月1万円を10年・20年・30年続けると?
今度は、積立を組み合わせた架空の計算です。次の条件を置きます。
- 最初にまとめて投資するお金はなく、毎月末に1万円を積み立てる
- 年3%の一定利回りで運用し、収益はすべて運用に残す
- 税金、手数料・信託報酬などの費用、物価上昇は考慮しない
年3%は、商品の予測利回りや過去の実績ではありません。仕組みを比べるために置いた仮定です。
| 積立期間 | 自分で積み立てた元本 | 計算上の運用益 | 合計額 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 120万円 | 約19.4万円 | 約139.4万円 |
| 20年 | 240万円 | 約86.9万円 | 約326.9万円 |
| 30年 | 360万円 | 約218.7万円 | 約578.7万円 |
※年3%は1年間で1.03倍になる利回りとして、月利を「1.03の12乗根−1」に換算しています。毎月末の積立で計算し、万円単位の小数第1位に丸めました。
ここで見落としたくないのが、30年後の578.7万円すべてが、運用で増えたお金ではないことです。360万円は、自分で積み立てた元本です。
10年と30年を比べると、長く運用する効果に加えて、積立回数が増えた効果も入っています。30年なら、入れた元本も10年の3倍です。また、最初の1万円と最後の1万円では運用する時間が違い、360万円すべてを30年間運用するわけではありません。
仮に利回りが0%なら、費用を考えない合計額は元本と同じです。実際には値下がりもあり、積み立てた元本を下回ることがあります。表の数字は、毎月同じように増えると仮定した計算であり、将来の受取額を約束するものではありません。
4.長く持つからこそ、費用の小さな差にも目を向ける
投資信託を保有している間には、「信託報酬」という運用・管理の費用がかかります。通常はファンドの資産から日々差し引かれます。購入時の手数料が無料でも、保有中の費用までゼロとは限りません。
交付目論見書では信託報酬などを、運用報告書では実際にかかった費用の明細を確認できます。(出典4)
費用として出ていったお金は、その後の運用に回せません。長く保有すると、費用そのものに加えて、そのお金を運用に残せなかった影響も積み重なります。
例えば先ほどの30年の条件で、費用などの影響により、運用に残る利回りが年3%から年2.5%になったと仮定すると、合計額は約532.8万円。年3%の場合との差は、約45.9万円です。
これは、年0.5ポイントの利回りの差を比べた簡略計算です。特定商品の費用を再現したものではなく、税金と物価上昇も含めていません。
費用を比較するときは、投資対象や連動を目指す指数が似た商品同士で見るのが基本です。安さだけで、投資先や値動きの性質が違う商品を同じものとして選ばないようにしたいですね。
5.長期でも下落はある。使う時期まで考えておこう
幅広い株式に分散していても、市場全体が下がるときには一緒に値下がりします。時間がたつだけでリスクがなくなるわけではありません。海外の資産に投資する商品では、為替変動の影響を受ける場合もあります。(出典1/出典5)
毎月一定額を買う積立では、価格が低いときは多く、高いときは少なく買うことになります。ただし、買い続けたあとも値下がりすれば損失は出ます。積立は、購入のタイミングを分ける方法であり、元本を守る保証ではありません。
特に考えておきたいのが、お金を使うために売却する「取り崩し」の時期です。価格が下がっているときに同じ金額を用意しようとすると、より多くの口数を売る必要があります。口数は、投資信託をどれだけ持っているかを表す単位です。売った分は、その後値上がりしても回復に参加できません。
例えば、架空の商品で1万口が1万円なら、10万円を用意するには10万口を売ります。1万口が8,000円に下がっていれば、同じ10万円を用意するのに12万5,000口が必要です。税金や費用を除いた単純な例ですが、使う時期の値動きが大切な理由が見えてきます。
生活費や近いうちに使う予定のお金は、預金などですぐに使える形を確保しておく。使う時期が近づいたら、株式など値動きのある資産の割合を見直す。こうした準備も、長く運用する計画の一部です。(出典2/出典5)
続けられる金額と、使う時期をセットで考える
インデックス投資を長く続ける効果は、広く投資し、収益を運用に残し、その時間を確保することで期待できます。積立をするなら、自分で入れた元本と運用で増減した金額を分けて見ることも大切です。
まずは、投資先の広さ、分配方針、保有中の費用を確認する。そして、家計に無理のない積立額と、お金を使う時期を考えてみる。
「何年持てば安心か」だけでなく、「下がる時期があっても、この金額と計画なら続けられるか」。そこから長期投資を考えてみてはいかがでしょうか。
出典
- 米国証券取引委員会(SEC)Investor.gov「Index Funds」
- 金融庁「資産形成の基本」
- 資産運用業協会「分配金・換金/償還の知識」
- 資産運用業協会「税金・手数料の知識」
- 資産運用業協会「現在、運用をしている人」
※2026年10月27日(日本時間)に確認した公表資料に基づく一般的な解説です。計算例は筆者の運用実績ではなく、一定利回りを仮定した試算です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄や商品の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任と判断で行ってください。
ちゃぴっと


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