【高配当株分析】ヒューリック(3003)を5指標で分析 — 利回り3.75%・13期連続増配・15期連続最高益、でも「金利上昇」だけは要注意

高配当株分析

40代会社員のちゃぴっとです。

高配当株分析シリーズ、1銘柄ディープ分析の第10弾は ヒューリック(3003) です。東京23区の駅近物件を中心に持つ不動産会社で、利回り3.75%・13期連続増配・15期連続最高益 という、5指標がそろって高水準の銘柄です。

このシリーズでは前回全国保証(7164)を「”安さ”ではなく”質”で選ぶ高配当株」として紹介しました。ヒューリックも同じ「質」タイプですが、不動産という、シリーズ初のセクター。そして不動産ならではの注意点があります。5指標で見ていきます。

私の基本スタンスは変わらず 「長期保有を前提に高配当株を見る」 こと。今回も数字の中身まで確認します。


ヒューリック(3003)ってどんな会社?

項目内容
会社名ヒューリック株式会社(3003)
事業不動産(賃貸・開発)
市場東証プライム
株価1,789円(2026年7月17日終値)
決算期12月(他の多くの銘柄と期がズレます)
予想配当利回り約3.75%

ヒューリックは、旧富士銀行(現みずほ)系の流れをくむ不動産会社。最大の特徴は、東京23区の「駅から近い」物件に集中していることです。

不動産は「立地がすべて」と言われますが、都心の駅近という代わりの効かない土地を押さえているため、賃貸収入が安定しやすい。近年は高齢者施設や観光・ホテル関連にも広げています。この安定した賃貸収入が、後述する連続増配と連続最高益の土台になっています。

なお、ヒューリックは12月決算です。3月決算の銘柄が多いなかで期がズレるので、他社と比べるときは注意してください。


5指標で分析する

① 配当利回り:約3.75%(〇)

2026年12月期の予想配当67円、株価1,789円(7/17終値)で計算すると、

67 ÷ 1,789 × 100 = 約3.75%

東証プライム平均(約2.35%)を大きく上回る水準です。記念配当などの一時的な上乗せではなく、業績成長に裏打ちされた普通配当 で、この利回りを出しています。

② 配当性向:約42%(◎)

2026年12月期予想の配当性向は 約42%(予想配当67円 ÷ 予想EPS約159円)。

目安の「50%以下」を余裕をもってクリアしています。利益の6割近くを社内に残せているので、多少業績が振れても減配しにくい余力があり、増配の余地も残っている 水準です。前回の全国保証(約50%)よりも余裕があります。

③ 連続増配年数:13期(→14期見込み)(◎)

ヒューリックは 2013年12月期から増配を継続。2025年12月期で 13期連続増配 を達成し、2026年12月期の67円予想が実現すれば 14期連続増配 の見込みです。

1株配当連続増配
2024年12月期54円12期
2025年12月期62円13期
2026年12月期(予想)67円14期見込み

配当の伸び方が印象的です。起点の2013年12月期は6.5円でしたから、13年で 約9.5倍 になった計算になります。

📌 実はヒューリックは、2013年より前は配当が安定せず、増減を繰り返していました。そこから方針が変わり、2013年12月期を起点に増配へ舵を切って、13期連続で積み上げてきた——という経緯です。「昔から増配していた優等生」ではなく、途中から株主還元に舵を切った会社 という点は知っておくとよいと思います。

④ 業績の安定性:15期連続最高益(◎)

ここがヒューリックの一番の強みです。

  • 2025年12月期(実績):営業収益7,274億円(前期比+23.0%)・営業利益1,868億円(+14.4%)・純利益1,143億円(+11.7%)と 大幅な増収増益
  • 2026年12月期(予想):営業利益2,100億円(+12.4%)・経常利益1,850億円(+7.0%)・純利益1,210億円(+5.8%)と、引き続き増益を計画
  • これが実現すれば 15期連続で過去最高益 を更新します

15期連続最高益は、リーマンショック後の不動産不況もコロナ禍も乗り越えて達成してきた数字です。都心駅近の賃貸収入という安定した土台があるからこそで、連続増配を支える利益が、きちんと伸び続けている ことがわかります。

⑤ PER / PBR:割安ではない(◎/△)

  • PER 約11.2倍(会社予想)→ 目安「15倍以下」を余裕でクリア(◎)
  • PBR 1.49倍(実績)→ 1倍を超えており、資産面では割安ではない(△)

PERは約11倍と、利益に対しては明確に割安な水準。一方で PBRは1.49倍 で、シリーズで分析してきた芙蓉総合リース(0.78倍)やSPK(0.93倍)のような「1倍割れの割安株」ではありません。

ただ、15期連続最高益を出し続ける会社にPBR1倍割れを期待するのは、そもそも難しいとも言えます。市場が「この会社は利益を伸ばし続ける」と評価しているからこそ、PBRが1倍を超えている。「割安だから買う」銘柄ではなく、「利益成長と増配が続くと考えるなら持つ」銘柄 です。


全国保証との比較:同じ「質で選ぶ」でも中身が違う

前回分析した全国保証(7164)と並べると、似たタイプでも違いが見えます。

指標全国保証(7164)ヒューリック(3003)
配当利回り約4.0%約3.75%
配当性向約50%約42%
連続増配14期13期(→14期見込み)
業績15期連続最高益15期連続最高益
PER約12.5倍約11.2倍
PBR1.66倍1.49倍
事業の性質信用保証(超高利益率)不動産(都心駅近の賃貸)
主なリスク住宅ローン市場・金利金利上昇

どちらも「割安ではないが質が高い」タイプ。ヒューリックの方が配当性向に余裕があり(42%)、PER・PBRもやや低い分、数字のバランスは良く見えます。

一方で共通するのは、どちらも金利の動きに影響を受ける事業 だということ。ここが次の注意点です。


注意点:割安ではない・金利上昇・12月決算

ヒューリックの注意点は3つです。

① 株価は割安ではない(PBR1.49倍)
PBR1倍割れの銘柄と違い、資産の裏付けによる下値の安心感は薄め。増益と増配が続く前提で評価されているので、成長が止まったと市場が判断すれば、株価は調整しやすい 面があります。

② 金利上昇が最大の逆風になりうる
ここが不動産株で一番大事な点です。不動産は借入を使って物件を持つビジネスなので、金利が上がると支払利息が増え、利益を圧迫します。加えて、金利上昇は不動産の価格そのものにも下押し圧力をかけます。日本が利上げ局面に入るなら、業績が好調でも株価が伸びにくいことは想定しておきたいところです。

③ 12月決算なので期がズレる
細かい点ですが、3月決算の銘柄と同じ「今期」で比べられません。配当の権利確定月も違うので、配当の受取月を分散させたい人にはむしろメリットになります。

⚠️ 高配当トラップのような危うさはなく、むしろ「質の高い高配当株」です。ただし 「割安ではない」「金利上昇が逆風」 の2点は、必ずセットで理解しておきたいところです。


総合評価

指標評価コメント
① 配当利回り約3.75%。業績裏打ちの普通配当
② 配当性向約42%。増配余地・減配耐性ともに余裕あり
③ 連続増配13期連続・14期見込み。13年で配当は約9.5倍
④ 業績15期連続最高益。都心駅近の賃貸が土台
⑤ PER/PBR◎/△PER約11倍は割安。PBR1.49倍で資産面は割安でない

5指標のうち 4つが高水準で、弱点は「PBRが1倍を超えている=割安ではない」ことだけ。数字のバランスで言えば、シリーズでもトップクラスの優等生です。

ただし評価を分けるのは 金利 です。「業績と増配が続く」と考えるなら有力候補。「日本の金利がこれから上がる」と考えるなら、不動産セクターであること自体がリスク——という判断もありえます。


まとめ

項目内容
事業東京23区の駅近中心の不動産(賃貸・開発)
配当利回り約3.75%(2026年12月期予想67円ベース)
配当性向約42%(余裕あり)
連続増配13期連続・14期見込み(2013年12月期起点・配当は約9.5倍に)
業績15期連続最高益。2025年12月期は営業収益+23%
割安度PER約11.2倍は割安・PBR1.49倍で資産面は割安でない
注意点割安ではない・金利上昇が逆風・12月決算

ヒューリック(3003)は、「利回り3.75% × 13期連続増配 × 15期連続最高益 × 配当性向42%」 という、5指標がそろって高水準の銘柄でした。前回の全国保証と同じ “安さ”ではなく”質”で選ぶタイプ です。

ただ、どんなに数字が良くても、事業が抱えるリスクは別に見る必要がある——ヒューリックの場合はそれが「金利」でした。5指標で中身を分解したうえで、その会社が何に弱いのかまで確認する。次回も、高配当株を1銘柄ずつ冷静に分析していきます。


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データ出典・基準日
・株価・予想PER・実績PBR・予想配当利回り・1株配当(会社予想):Yahoo!ファイナンス(2026年7月17日終値時点)
・配当性向:予想配当67円 ÷ 予想EPS(株価÷予想PER)で算出
・配当推移・連続増配:ヒューリック IR/IRBANK(分割調整後)。連続増配年数は 2013年12月期を起点 としてカウント(それ以前は配当が増減を繰り返していたため)。数え方により12期と表記される場合があります。
・業績(2025年12月期実績・2026年12月期予想):会社決算短信・会社予想ベース
※株価・配当利回りは日々変動します。実際の投資判断時には最新の数値をご確認ください。
※本記事は個人の投資記録および情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断は、必ずご自身の責任と判断で行ってください。

ちゃぴっと

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