40代会社員のちゃぴっとです。
高配当株分析シリーズ、今回から1銘柄ずつ深掘りしていきます。第1弾は、前回の配当利回りランキング記事で「連続増配20年以上 × 利回り3%以上」ランキングの1位に入ってきた高速(7504)です。
正直、私もこの記事を書くまで名前を知りませんでした。「包装資材の卸売」という地味な会社が、なぜ22期も連続で増配できているのか。前回まとめた5つの指標で、冷静に分析していきます。
私の基本スタンスは前回までと同じく「長期保有を前提に高配当株を見る」こと。利回りの数字だけでなく、「何年も持ち続けられる会社か」という視点で見ていきます。
高速(7504)ってどんな会社?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社高速(7504) |
| 事業 | 食品軽包装資材を中心とした包装資材の専門商社 |
| 市場 | 東証プライム |
| 株価 | 2,959円(2026年6月11日終値) |
| 時価総額 | 約620億円 |
高速は、スーパーや食品工場で使われるトレー・ラップ・フィルム・容器といった食品包装資材を扱う専門商社です。単にモノを仕入れて売るだけでなく、商品の企画開発から物流・配送までを一貫して手がけているのが特徴です。
私たちが毎日スーパーで手に取る食品の「容器」を、裏側で支えている会社——というイメージです。景気に大きく左右されにくい、生活に密着したストック型のビジネスが、安定した業績と連続増配の土台になっています。
5指標で分析する
前回の記事でまとめた高配当株を選ぶ5つの指標で、高速をチェックしていきます。
① 配当利回り:約4.1%(◎)
2027年3月期の予想配当120円、株価2,959円(6/11終値)で計算すると、
120 ÷ 2,959 × 100 = 約4.06%
東証プライム平均(約2.35%)を大きく上回り、シリーズの定義「3%以上」も余裕でクリア。利回りだけ見れば文句なしの水準です。
ただし、この120円に至るまでの「配当の中身」には確認しておきたい点があります(→注意点セクションへ)。
② 配当性向:約30%(普通配当ベース)(◎)
配当性向は約30%(2026年3月期・普通配当ベース/EPS187.16円)。前回「50%以下が安心」と書きましたが、30%は相当に健全な水準です。
利益の7割を社内に残せているので、多少業績が落ちても減配しにくい余力がある。連続増配を22年も続けられている財務的な裏付けが、ここに表れています。
※ただし2026年3月期は記念配当を含む総額116円で見ると配当性向は約62%に上がります(詳細は注意点へ)。
③ 連続増配年数:22期(→23期見込み)(◎)
高速は2026年3月期で22期連続増配を達成。さらに2027年3月期も120円予想(前期比増配)で、23期連続増配の見込みです。
| 期 | 1株配当 | 連続増配 |
|---|---|---|
| 2025年3月期 | 54円 | 21期 |
| 2026年3月期 | 116円(普通56+記念60) | 22期 |
| 2027年3月期(予想) | 120円 | 23期見込み |
普通配当ベースでも、2004年3月期の10円から着実に積み上げ、20年超にわたって一度も減配せず増配を続けてきた実績は本物です。20年以上の連続増配を続けている上場企業は国内でも数十社しかなく、その一角に入る希少な存在です。
④ 業績の安定性:過去最高を更新(◎)
2026年3月期(実績)は、
- 売上高 1,241.9億円(前年比 +7.1%)
- 営業利益 48.65億円(前年比 +7.4%)
- 全利益項目で過去最高を更新
しかも2027年3月期も増収増益(売上+8.7%・営業利益+4.8%予想)と、勢いは続く見通し。食品包装というディフェンシブな事業で、右肩上がりを続けているのは高評価です。
⑤ PER / PBR:おおむね妥当な水準(○)
- PER 約15.8倍(2026年3月期実績EPS187.16円ベース)→ 前回の目安「15倍以下」をわずかに超過(△)
- PBR 1.36倍(実績)→ 「1倍以下」の目安は満たさず(△)
実績ベースのPERは約15.8倍(2,959円÷187.16円)と、目安の15倍をわずかに上回ります。ただし業績は拡大が続いており、2027年3月期の会社予想EPS(約190円)で計算してもPERは約15.5倍と、実績ベースとほぼ同水準です。PBRも1.36倍と1倍超ですが、過去最高益を更新し続ける会社であることを踏まえれば、「割高」というより「相応に評価されている」水準と見るのが妥当です。
注意点:1年で配当を倍増させた「中身」を見ておく
ここが今回の分析で一番大事なポイントです。直近3期の配当の動きを分解すると、こうなります。
| 期 | 普通配当 | 記念配当 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 54円 | − | 54円 |
| 2026年3月期 | 56円 | 60円(創立60周年・一時的) | 116円 |
| 2027年3月期(予想) | 120円 | − | 120円 |
ポイントは2つです。
① 普通配当そのものは、もともと年+2円ペースだった
2025→2026年3月期の普通配当は54円→56円と、ごく通常の増配ペース。2026年3月期の116円は、そこに創立60周年の記念配当60円を一時的に上乗せしたものでした。
② 2027年3月期は、記念配当の水準を「普通配当」として恒久化した
翌2027年3月期は120円予想。記念配当(一時的)が消えるのに合計はむしろ増える——これは「記念配当をきっかけに、配当水準そのものを一段引き上げた」ことを意味します。株主還元の姿勢としてはかなり強気です。
ただし、その結果配当性向は普通配当ベースの約30%から、2027年3月期は約60%まで上昇する見込み。還元強化は歓迎ですが、裏を返せば「これ以上の増配ペースは、利益が伸びないと続けにくい」水準に近づいたとも言えます。56円→120円のような大幅増配は一巡し、今後は通常ペース(年数円)の増配に戻ると見ておくのが現実的です。
⚠️ 高配当トラップではありません。利回り4%は2027年3月期予想120円ベースで「見せかけ」ではない。ただし増配の大半は記念配当の恒久化によるもので、配当性向も約60%へ上昇。「今後も同じペースで増配が続く」と期待しすぎないことが大事です。
総合評価
| 指標 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| ① 配当利回り | ◎ | 約4.1%。プライム平均の倍近い |
| ② 配当性向 | ◎ | 普通配当ベースで約30%と健全 |
| ③ 連続増配 | ◎ | 22期達成・23期見込み。国内有数 |
| ④ 業績 | ◎ | 売上・利益とも過去最高を更新 |
| ⑤ PER/PBR | ○ | 実績PER約15.8倍(会社予想でも約15.5倍)・PBR1.36倍。割高ではない |
| ⚠️ 注意点 | − | 配当を1年で倍増。配当性向が約30%→約60%へ上昇 |
5指標のうち4つが◎、1つが○。「地味だけど堅実な高配当株」としては、かなり優秀な部類だと思います。特にこれまでの配当性向の健全さ × 22期連続増配の組み合わせは、長期保有との相性が良い。
注意すべきは、直近の大幅増配が記念配当の恒久化によるもので、配当性向が約60%まで上がってきたこと。今後の増配ペースは通常運転(年数円)に戻る前提で見ておきたい銘柄です。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業 | 食品包装資材の専門商社(ディフェンシブ) |
| 配当利回り | 約4.1%(2027年3月期予想120円ベース) |
| 配当性向 | 約30%(普通配当ベース・健全) |
| 連続増配 | 22期達成・23期見込み |
| 業績 | 売上1,241.9億・営業利益48.65億で過去最高 |
| 割安度 | 実績PER約15.8倍(会社予想ベースでも約15.5倍)・PBR1.36倍 |
| 注意点 | 記念配当を恒久化する形で配当を大幅増額。配当性向は約60%へ |
高速(7504)は、派手さはないけれど、業績・配当性向・連続増配のすべてが堅い「隠れ高配当株」。前回の利回りランキングで1位に来たのは、決して一時的なまぐれではないことが、5指標を見るとよくわかります。
一方で、利回りの数字をそのまま信じず「中身(記念配当)」まで確認する——これこそ、前回のランキング記事で伝えたかった姿勢そのものです。
次回も、このシリーズで高配当株を1銘柄ずつ冷静に分析していきます。
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データ出典・基準日
・株価・PER・PBR・予想配当利回り:Yahoo!ファイナンス(2026年6月11日終値時点)
・配当・連続増配年数:株式会社高速 IR/ダイヤモンドZAi・各証券会社データ
・業績(2026年3月期実績・2027年3月期予想):会社決算短信ベース
※株価・配当利回りは日々変動します。実際の投資判断時には最新の数値をご確認ください。
※本記事は個人の投資記録および情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断は、必ずご自身の責任と判断で行ってください。
ちゃぴっと


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