【高配当株分析】芙蓉総合リース(8424)を5指標で分析 — 利回り4%・PBR0.76倍・21期連続増配、でも「減益とV字回復」に注意

高配当株分析

40代会社員のちゃぴっとです。

高配当株分析シリーズ、1銘柄ディープ分析の第7弾は 芙蓉総合リース(8424) です。みずほ系・芙蓉グループの総合リース大手で、連続増配ランキングにも入っていた 21期連続増配・利回り4% の高配当株です。

このシリーズでは以前リコーリース(8566)も分析しました。同じリース業ですが、芙蓉総合リースは 「割安・高配当だが、直近は大幅減益」 という、少しクセのある銘柄。5指標で中身を見ていきます。

私の基本スタンスは変わらず 「長期保有を前提に高配当株を見る」 こと。今回も数字の中身まで確認します。


芙蓉総合リース(8424)ってどんな会社?

項目内容
会社名芙蓉総合リース株式会社(8424)
事業総合リース・ファイナンス(みずほ系・芙蓉グループ)
市場東証プライム
株価4,235円(2026年6月26日終値)
時価総額約3,848億円

芙蓉総合リースは、みずほ銀行を中心とする「芙蓉グループ」の総合リース会社。情報通信機器・産業機械・不動産・環境エネルギーなど、幅広い分野のリースとファイナンスを手がけています。

前回までのランキングでも見たとおり、リース業は連続増配と高利回りを両立しやすいセクター。芙蓉総合リースも21年連続で増配を続けてきました。


5指標で分析する

① 配当利回り:約4.1%(◎)

2027年3月期の予想配当172円、株価4,235円(6/26終値)で計算すると、

172 ÷ 4,235 × 100 = 約4.06%

東証プライム平均(約2.35%)を大きく上回り、シリーズでもトップクラスの利回り。記念配当などの一時的な上乗せではなく、普通配当の積み上げによる4% です。

② 配当性向:約32%(◎)※2026年は一時的に上昇

2027年3月期予想の配当性向は 約32.3%。50%以下で健全、かつ増配余地も大きい水準です。

ただし注意したいのは、2026年3月期は大幅減益だったため、その年の配当性向は一時的に高くなっている こと(減益でも増配を続けたため)。後述の業績回復が実現すれば、32%程度の健全な水準に戻る見込みです。

③ 連続増配年数:21期(→22期見込み)(◎)

芙蓉総合リースは 2026年3月期で21期連続増配を達成(1株158円)。2027年3月期も172円予想で、22期連続増配の見込み です。

1株配当連続増配
2025年3月期151.7円20期
2026年3月期158円21期(減益でも増配)
2027年3月期(予想)172円22期見込み

📌 芙蓉総合リースは 2025年4月1日に1株→3株の株式分割 を実施しました。上の配当額は 分割後(調整後)に統一 しています(2025年3月期は分割前の455円÷3=151.7円)。分割前後を混同すると「455円→158円で減配」に見えてしまうので注意です。

注目すべきは、2026年3月期は大幅減益だったのに、それでも増配した こと。21年で配当は約19倍に成長しており、「減益でも株主還元を止めない」姿勢 がはっきり表れています。

④ 業績の安定性:直近は大幅減益(△)→ 2027年はV字回復見込み

ここが最大の注意点です。

  • 2026年3月期:売上高7,886.7億円(前年比+16.3%)と増収だったものの、再生可能エネルギー関連プロジェクトの債権問題で大幅減益(営業利益・純利益とも前期比で半減級)
  • 2027年3月期(予想):営業利益700億円(+72.7%)・経常利益750億円(+96.1%)・純利益480億円(+122.6%) と、大幅なV字回復を見込む

2026年の減益は 再エネ債権問題という個別要因 によるもの。会社は2027年に大きく回復する計画を出していますが、これはあくまで「予想」。回復が計画どおり進むかは、今後の決算で確認が必要です。

⑤ PER / PBR:割安だが「回復前提」(◎/△)

  • PER 約8.0倍(会社予想/2027年予想EPS約532円)→ 目安「15倍以下」を大きくクリア(◎)
  • PBR 0.76倍(実績)→ 1倍割れの割安水準(◎)

PERは会社予想ベースで 約8倍とかなり割安。ただしこれは 2027年のV字回復(純利益+122.6%)を織り込んだ数字 です。2026年の減益ベース(実績)で見ると、PERは18倍前後と割高に見えます。つまり「約8倍の割安さ」は、回復が実現することが前提。PBRは0.76倍と資産面では明確に割安で、リコーリース(0.79倍)と並ぶ水準です。

📌 PERは「実績(減益)」と「会社予想(回復)」で大きく違います。減益が一時的なら会社予想ベース(約8倍)が妥当ですが、回復前提である点は必ず意識 したいところ。


リコーリースとの比較:同じ「割安リース」でも

シリーズで分析したリコーリースと並べると、似て非なる個性が見えます。

指標リコーリース(8566)芙蓉総合リース(8424)
配当利回り約4.1%約4.1%
連続増配26期21期
PBR0.79倍0.76倍
PER約14.9倍(実績)約8倍(会社予想・回復前提)
業績減益減益(再エネ債権問題)→V字回復見込み
配当の特徴6年限定の特別配当あり普通配当のみ(減益でも増配)

どちらも 「割安(PBR1倍割れ)×高利回り×減益」 という共通点があります。違いは、芙蓉が 「個別要因の減益+大幅回復見込み」「特別配当に頼らない純粋な連続増配」 という点。回復シナリオを信じられるかどうか が、評価の分かれ目です。


注意点:割安さの「理由」を理解する

芙蓉総合リースの注意点は2つです。

① 割安さは「減益と回復期待」の裏返し
PBR0.76倍・PER約8倍と数字は割安ですが、これは 再エネ債権問題による減益と、それを織り込んだ株価 でもあります。市場が「回復するか様子見」している状態とも読めます。割安だから安心、ではありません。

② V字回復は"予想"
2027年3月期の純利益+122.6%という回復は、あくまで会社計画。債権問題の影響が長引けば、計画未達のリスク もあります。今後の四半期決算で、回復が本物かを確認したいところです。

⚠️ 高配当トラップとは違い、連続増配を続ける堅実なリース株ですが、「割安・高配当」の裏にある 減益と回復シナリオ をセットで理解することが大切です。


総合評価

指標評価コメント
① 配当利回り約4.1%。普通配当ベースで高水準
② 配当性向2027予想32%と健全(2026は減益で一時上昇)
③ 連続増配21期達成・22期見込み。減益でも増配を継続
④ 業績2026は再エネ債権問題で大幅減益。2027はV字回復見込み
⑤ PER/PBR◎/△PBR0.76倍と割安。PER約8倍は回復前提

利回り・割安さ・連続増配は文句なし。ただし 「2026年の大幅減益」と「2027年の回復予想」 をどう見るかで、評価が分かれます。「個別要因の減益で、回復すれば割安」と読むなら妙味のある銘柄。逆に、回復シナリオに不安があるなら様子見、という判断もありえます。


まとめ

項目内容
事業みずほ系・芙蓉グループの総合リース大手
配当利回り約4.1%(2027年3月期予想172円ベース)
配当性向約32%(2027予想・健全)
連続増配21期達成・22期見込み(減益でも増配)
業績2026は再エネ債権問題で大幅減益→2027は純利益+122.6%のV字回復見込み
割安度PBR0.76倍・PER約8倍(回復前提)
注意点割安さは減益と回復期待の裏返し・V字回復は"予想"

芙蓉総合リース(8424)は、「割安(PBR0.76倍)× 高利回り(4%)× 21期連続増配」 という魅力と、「2026年の大幅減益 × 回復は予想」 という注意点が同居する銘柄でした。

利回りや割安さの数字だけでなく、「なぜ割安なのか」「その減益は一時的か」まで確認する ——5指標で分解すると、その大切さがよくわかります。次回も、高配当株を1銘柄ずつ冷静に分析していきます。


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データ出典・基準日
・株価・PER・PBR・予想配当利回り:Yahoo!ファイナンス(2026年6月26日終値時点)
・配当・連続増配年数:芙蓉総合リース IR/ダイヤモンドZAi・各証券会社データ
・業績(2026年3月期実績・2027年3月期予想):会社決算短信・会社予想ベース

※株価・配当利回りは日々変動します。実際の投資判断時には最新の数値をご確認ください。
※本記事は個人の投資記録および情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断は、必ずご自身の責任と判断で行ってください。


ちゃぴっと

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